ねぇ、こっちを向いて
「……5時。帰ろう」
図書委員の仕事は5時まで、本棚の整理とか仕分けとかをする。
これが面倒くさくて、誰もやらないため私がこうやって毎日やっているのだ。
今日も、いつもと同じように図書室の鍵をかけて、職員室に戻そうって思ったのに、後ろから手首を掴まれて身動きが取れない。
「お疲れ様、東屋。」
声の主は、言わなくてもわかる。
「笹倉くん…今日、豊永さんと遊びに行くんじゃなかったの?」
そう、笹倉くんだ。いっつも構ってきて本当にめんどくさい。
「未亜ちゃん?あぁ、今日はパスした。」