OLが暴走族に絡まれた
あのヘルメットに、この場所。
これって、偶然なの?
それとも、イチくんが……
「おい!」
後ろから声がかけられる。
「何立ってんだ?顔色悪いぞ。」
ミオくんが顔を覗き込んできた。
「う、うん、大丈夫。」
「送るから」
「え?」
ミオくんの意外な言葉に驚く。
「体調悪そうだから送るっつってんだろ!」
ミオくんは照れているのか、八つ当たりのように怒鳴る。
「あ、ありがとう」
ほんとに優真くんの言う通り、ミオくんが送ってくれてまた驚く。
でもこれで計画通り。
私は少し安心して歩き始めた。