耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

勝手口のドアを閉め持っていた荷物を従業員用の荷物置きに置くと、美寧はバックの中からエプロンを取り出した。
制服はいつも家から着てきている。
ここには更衣室になるスペースはないし、通勤時間もほとんどかからない場所なので、制服の黒いワンピースはあらかじめ着て来て、ラプワールについてからエプロンを身に着けることにしていた。
ちなみに、制服は二セット貰っているので洗い替えに困らないし、もし洗濯後に乾かなかったら私服の上からエプロンを着けたらいいから、と最初の時に言ってくれた。マスター曰く「制服を作ったのは奥さんの趣味だから」ということだ。

「あっ、美寧。エプロンを着ける前にお使いを頼んでもいいか?」

厨房からマスターがそう声を掛けられて、美寧は手を止めた。

「牛乳が切れそうなんだ。ちょっとスーパーで買ってきてくれないか?」

「はい、分かりました。」

美寧はエプロンを棚に置くと、店の買い出し用の財布を机の引き出しから取り出し買い物カバンに入れる。

「じゃあこのまま行ってきます。」

「おお、よろしくな。二パック頼む。」

「は~い!」

元気に返事をすると、さっき入って来た扉から再び外に出た。

< 107 / 353 >

この作品をシェア

pagetop