耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
美寧が怜の家で暮らすようになって二週間ほど経った頃。
ここ数日間、降っては止み、止んだと思ったら直ぐにまた降り出す、そんな梅雨らしい曇天が続いていたのが嘘のように、朝から気持ちの良い青い空が広がっていた。
「今日は夕方には帰って来られると思います。留守の間、ミネは好きなことをして過ごしてくださいね。」
朝食を挟んで向かい合った怜が、言う。
ついさっき起きたばかりの美寧は、まだ眠い目を擦りあくびを噛み殺しながら頷いた。
「鍵はお財布と同じところに置いています。出掛ける時は戸締りを忘れずに。」
「はーい。」
必要なものが有ればすぐ近くの商店街で好きに買っていいと、怜は美寧用の小さな財布を用意してくれた。もちろん中身もそれなりに入っている。
「昼ご飯は冷蔵庫に入れてあります。今日はチャーハンです。レンジで温めて食べて下さいね。ミネストローネも冷蔵庫のタッパーに淹れてありますよ。」
「やったぁ!ありがとう、れいちゃん。」
美寧はつい最近電子レンジの使い方を怜に教わったばかり。それからというもの、美寧はレンジを使うことが楽しくてしかたないのだ。
お礼を言った後「いただきます」と手を合わせてから、一口大にちぎったロールパンを口に運ぶ。
怜が買ってくるパンは商店街のベーカリーのもので、どれを食べてもとても美味しい。
相変わらず一度に食べられる量は少ないが、食べ物を口にして「美味しい」と思えることが、今の美寧には嬉しくて仕方ない。
(れいちゃんが用意してくれるご飯は、いつも美味しいなぁ)
しみじみと思いながらロールパンを咀嚼していると、先に食べ終わったのか、怜が食器を持ち立ち上がった。
「今日は一コマ目から授業なので、早めに出ますね。」
「うん。」
「ミネはゆっくり食べていてください。」
そう言い残すと怜は食器を片付けにキッチンへと行ってしまった。