耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「ふっ…」
長い口づけに息苦しくなって吐息が漏れる。
かすかに開いた唇の合間をペロリと生温かいものになぞられ、カクンと力が抜けその場に崩れ落ちそうになった美寧の腰を、怜の腕が易々とさらった。
「大丈夫ですか?」
くたりと力の抜けた体を支える怜は、何事も無さげに彼女の顔を覗き込む。
(ううっ、……みんなれいちゃんのせいなんだから!)
使うことの出来ない手も、力の入らない足も、―――熱い体も。
八つ当たりのような悔し紛れのような気持ちで、眉を吊り上げながら怜を睨んだ。
「可愛いな……」
美寧の精一杯の抗議に、怜は意味不明な呟きを返すと、再び美寧の唇を啄ばんできた。
「んっ、…も、…れいちゃ、」
「もう駄目だ」と彼を押しとどめたいのに、角度を変えて何度も唇を塞がれて言うことが出来ない。押し返そうにも、この手だ。
(もうっ!汚れちゃっても私は悪くない!)
怜の服を汚す覚悟を決めて、彼の胸を両手で押そうとしたその時。
―――ピンポーン
ドアホンが来客を知らせた。