耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
急な来客の正体は、怜の友人で医師のユズキだ。
公園で倒れていた美寧を連れて帰ったあの日。
意識を失っている美寧を見てもらうために、怜がこの家に彼女を呼んだのが最初。
美寧が目を覚ました時にはもうユズキは帰った後だった為、美寧にとっての初対面はそれから一週間ほど後のことだった。
「その後、体調はどうかしら?」
仕事用と思われるタブレットを片手に、美寧の様子を訊く姿はまさに“問診”。
これで白衣でも着ていれば完全に病院の医師そのものだが、今の彼女は完全な私服なので、パッと見は分からない。
背中の中ほどまであるワンレングスの髪は艶やかに波打ち、胸元まで止められたボタンのシャツとタイトなスカートと言うシンプルな出で立ちは、悩ましいほど女性らしいボディラインをより際立たせていた。
濃くも薄くもないポイントを抑えた無駄のないメイクは、彫の深い端整な顔立ちを更に美しく魅せる。
成熟した女性の色香が漂う彼女は、美寧から見たら“大人の女”そのものだった。