耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「…元気です。」
「そう。胃の調子は?吐き気はある?食事はちゃんと取れてるかしら?」
「胃は…今は全然痛みません。吐き気も無いです。食事は……」
「ちゃんと食べられてるよ。量は少ないけれど、あの頃よりは格段にいい。」
一瞬言い澱んだ美寧をフォローするように、怜が言葉を添えた。
「フジ君のお墨付きね。なら“OK”、と。」
タブレットにそう書き込むとユズキは、エンターキーを軽やかにタップした。
「じゃあ今回の問診終了、と。」
タブレットのカバーを閉じたユズキは、美寧の顔を見ながらにっこりと微笑んだ。
「お仕事は終わりよ。じゃ、美寧ちゃん一緒に女子会しましょ!」
「え?」
「ちょっと美寧ちゃん借りるわね、フジ君。」
「お、おい、ユズキ!」
怜が声を掛けた時には既に、ユズキは美寧の腕を掴んで立ち上がったところで、当の美寧は何がなんだか分からないうちに、そのまま彼女によって連れ出されてしまった。