耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
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「美寧ちゃんは何にするか決まった?」
「えっと、……」
「遠慮しないで何でも頼んで?強引にここまで連れて来たのは私なんだから。」
「じゃあお言葉に甘えて、セイロンティと紅茶アイスをお願いします。」
「了解。」
短くそう言った後、ユズキは店員を呼び注文を済ませた。
半ば攫われるように怜の家を出た後、ユズキの運転する車に乗せられ連れて来られたのは、紅茶専門カフェだった。
さっきまで見ていたメニュー表には、産地やブレンドが細かく分かれた紅茶の他に、甘党女子ならどれにするのか迷ってしまうだろう魅力的なスイーツの数々が載せられていた。
(次はれいちゃんと一緒に来たいなぁ。フレンチトーストもスコーンのセットも美味しそうだったもの……)
美寧の例外ではなく、未練たっぷりにさっき見たメニューの写真を思い出している。
でも今はもう夕方で、この後帰宅したらさっき作ったハンバーグを食べるのだ。
(ハンバーグが入らなくなったら嫌だもの……)
初めて怜と一緒に作ったハンバーグは特別だ。
(ちゃんと美味しく出来てるかなぁ……)
玉ねぎの下拵えは怜が請け負ったが、それ以外は怜に教わりながら全て美寧が作った。
肉ダネをこねる時の不思議な触感は面白かったし、その後の丸める作業はずいぶん手こずってしまった。
最初はタネが手にくっついて上手くいかなかったが、手に少し油を付けて丸めるのだと怜にアドバイスされた後は、それなりにまとめることが出来るようになった。
一つ目は歪な形だった成形作業も、最後の方はそれなりに見られる形になっていて、特に最後の一個は自分でも納得いく出来栄えになった。