耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
『見て、れいちゃん!上手く出来たよ!』
嬉しくて堪らなくなった美寧が、得意げにそれを怜に見せた。
『美味しそうですね』
隣から降ってきた低い声に、『本当?』と笑顔のまま顔を上げた瞬間、美寧の唇が塞がれたのだった。
「窓際は暑かったかしら?」
向かいから掛けられた声に美寧はハッとなる。
「だ、大丈夫です。」
「そう?顔少し赤いから暑いのかと思ったけど」
「えっと…少しだけ…でもアイスを食べるから平気です。」
焦った口調でそう答えると、ユズキは「そう?」と微笑む。
まさか『怜とのやり取りを思い出したから』とは言えない。
「美寧ちゃんの都合も訊かずに強引に連れ出してごめんなさいね。でもフジ君がいないところであなたと二人で話してみたかったの。」
「私と二人で……?」
「ええ…たまにはいいでしょ?女子会も。」
語尾にハートマークが見えそうな声でそう言いながら、ユズキは華麗なウィンクを飛ばした。
「女子会!初めてです!」
自分がこれまで使ったことのない“女子会”というワードにテンションが上がる。
そんな美寧にユズキは楽しそうに「あら、それは嬉しいわ」と言い、ふふふと笑った。