耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

「良かった。」

綺麗な笑顔に、美寧は目を奪われた。
普段はあまり大きく表情を変えることのない怜の、レア中のレアな満面の笑みだ。

「じゃあ、どうして?」

そうだ、『気持ち良かった』と言ったのだから、怜を押し返した理由にはならない。
何と答えて良いのか美寧が悩んでいると、

「もしかして、やっぱり火傷が痛かったのですか?」

怜がそう聞いてきた。

美寧はここぞとばかりに上下に頭を振り、「そ、そうなの……」と小さく呟いた。

「そうだったのですね…それは申し訳ありませんでした。」

本当は火傷なんて痛くも痒くもないのだが、そういうことにしないと他に説明できる事柄もない。

「痛い思いをさせてしまってすみません。」

と、心底申し訳なさそうな怜に、美寧の方が申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまうが、訂正は出来なかった。

「少し待っていて下さい。」

怜は立ち上がってキッチンの方へ向かって行った。


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