耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
本当は痛くなどない火傷を、こんなふうに怜に心配させてしまって、美寧の胸は罪悪感で苦しくなる。
居た堪れなくて伏せた瞳を、怜は痛みのせいだと思ったのだろう、
「滲みたり痛んだりするなら無理しなくても、」
「だ、大丈夫だから。いただきます!」
怜の言葉を遮るようにそう言って、慌ててスプーンを手に取った。
シャリっというスプーンの感触を感じながらシャーベットを掬って、口に入れる。
ヒヤリと舌の上で溶けて消えた。
ヨーグルトの酸味の後に、まろやかな甘みが口に広がる。
「はちみつ……?」
「正解です。」
砂糖とは違うまろやかでコクのある甘みの正体はハチミツだった。
「おいしい……」
それだけ口にした美寧が、続けざまにスプーンを口に運んでいるのを見て、怜は満足そうに微笑む。
さっきまで悩んでいたことなど忘れて、美寧はシャーベットに夢中になった。