耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

(ミネのウィンナーも次はタコとカニにするか―――。)

蓋を開けた時に目を輝かせる彼女の姿を思い描きながら、怜は自分の弁当箱の蓋を開ける。すると隣から覗き込んできた竹下が声を上げた。

「おわっ!先生のお弁当、めっちゃ美味そう!!」

怜の今日の弁当はロコモコ丼だ。先日、ハンバーグを作った時に多めに作っておいて冷凍しておいたものを弁当に入れたのだ。
ハンバーグの上には目玉焼きも乗っている。怜の分は弁当なのでしっかりと焼いてきたが、ミネの分は半熟で焼いて別の皿で冷蔵庫に入れてある。ハンバーグの乗ったご飯をレンジで温めてから半熟玉子を上に乗せるように、朝伝えておいた。

今日はアルバイトが休みの彼女のお昼は、怜と同じものだ。

(ミネはもうお昼を食べただろうか……)

自分の弁当に視線を置いたまま、怜はミネのことを考える。

(このハンバーグを作った次の日から、ミネの様子がいつもと違う……)

怜は、今朝家を出る直前の出来事を振り返った。



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