耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「おいくつなのですか?」
「二十二です。」
(ミネと変わらないな……)
竹下の恋人は、どうやら美寧の一つ上らしい。そう思うと竹下の惚気交じりの話にも耳を傾けようと思えてくる。
「彼女、今年就職したばっかりで、いつも大変そうなんですけど。今は余裕があるからって、ここんとこ手料理とかを頑張ってくれてるんです。その上、昨日から夏季休暇に入ったからって、これも。」
嬉しそうに言う竹下の視線の先には、もうほとんど空になりかけた弁当箱がある。
「お互い仕事と研究ですれ違いが多くって。この数か月間はなかなか会えなかったから、俺もなるべく彼女の休みに合わせて、たまにはどこかに連れて行きたいとは思っているんですけど…バイトも実験もあるし、なかなか難しいですね。」
そう言って竹下は肩を落とす。