耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
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駅前の商店街を通り、いつものように公園を通り抜ける。
時刻は六時を回ろうとしているが、夏の夕暮れは遅く、辺りはまだ明るい。
その日結局、怜は仕事を予定より一時間早く切り上げ、いつものように帰路に着いた。
やっぱりここ数日間の美寧の様子が気になっていたからだ。
(あれから、ミネとゆっくりする時間もなかったからな…)
竹下に予定外に進呈した休暇の為、怜は当分休めそうにない。この土日も留守にしてしまったこともあって、今夜くらいは家でミネとゆっくり過ごそうと思ったのだ。
恋人になってもう二週間以上経つというのに、恋人らしいデートにすら連れて行けていない怜を、美寧は責めることはない。
それどころか、毎日帰りが遅く休日もろくに取れていない怜に、気を遣っているようだ。
(そう言えば、水族館にもまだ連れていけていないな……)
我ながらダメな恋人だ。