耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「ただいま。」
奥に向かって声を掛けるが、返事はない。
奥の方で何やら物音がするから、美寧は居るのだろう。いつものように飛び出してこないのは、手が離せない状態なのかもしれない。
靴を脱いで上り框に足を掛けた時、キッチンから『ガシャーン』と大きな音と同時に悲鳴のような声がした。
「ミネっ!!」
何ごとかと慌てて家に上がり、キッチンの扉をあけた怜の目に飛び込んできたのは、丸い瞳に大きな雫を湛え、床にしゃがみこんでいる美寧の姿だった。
【第七話了】 第八話へ続く