耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
(もしかしたら、れいちゃんとユズキ先生は恋人同士だったのかなぁ……)
自分のことを『好きだ』と言ってくれた怜が、他の女性と今現在付き合っているとは思えない。怜はそんないい加減な人間ではない。
けれどこれまでにお付き合いのあった女性の一人や二人いることは、流石の美寧にも分かる。
(れいちゃんは素敵な大人の男性だもん……)
だから『黙ってても女の子達が寄ってくる』のは当たり前だ。
そう考えた途端、お腹の底から何かが湧き出しそうになって、「むぅ」と唸ってから膝に乗せているクッションに顔を埋めた。
詰めていた息をゆっくりと吐きだすと、思い切りよく顔をあげる。
「だめだめだめっ!そんなこと考えても何も出来るようにならないんだからっ!!」
美寧の高い声がリビングに響く。
「私は私に出来ることを一つでも増やさなきゃ!」
声に出すことで雑念を振り切ると、途端に美寧の頭にあることが閃いた。
「そうだ!たまには私がご飯を作って、れいちゃんの帰りを待とう!!」
我ながら名案だ。そう思った。
―――その時は。