耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
怜は涼しげな目元を柔らかく緩める。
もう一度しゃくり上げた瞬間、瞼のふちに溜まっていた雫がポロリとこぼれ落ちる。
怜は愛おしそうに目を細めると、その跡にそっと口づけを落とした。
頬に触れる温かく柔らかな感触に、美寧は自然と瞼を下ろす。
たった数日間触れ合わなかっただけなのに、ずいぶん長い間離れていたような気がする。
頬に触れる唇は、優しく左右の涙の跡を拭ってから、そっと離れた。
怜の唇が離れていくのがなぜか寂しくて、美寧は怜の胸にぎゅっと抱きついた。
抱き付いた瞬間、一瞬だけ怜が動きを止めたような気がしたが、今の美寧にそれに構えるほどの余裕はない。
背中に回した腕でギュッと怜のジャケットを掴み、その胸に顔を押し付ける。服越しに伝わってくる彼の体温が心地良い。瞳を閉じて規則正しい鼓動に耳をすますと、吹き荒れる嵐のようだった心が自然と凪いでいった。
美寧は強張っていた力を抜いて、怜に自分の体を預けた。