耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

「ミネが作ってくれた肉じゃがに、ちょっと手を加えただけですよ?」

なんでもないように言っているが、“ちょっと”だなんてことはない。

怜は、美寧が派手に焦がした鍋の中から、使えそうな具材を取り出すと、丁寧に焦げを切り落としていった。
そして何種類ものスパイスと一緒にウィンナーと玉ねぎを炒め、水を加えたところにさっきの肉じゃがの具材と他の具材を入れ、顆粒出汁や醤油、みりんなどの調味料を加えて煮込む。
じゃがいもに火が通ったところで、グリルで焼いた夏野菜とカレールーを入れて更に数分間煮込む。

こうして肉じゃがになる予定だったものは、スープカレーへと生まれ変わった。

美寧はそれをずっと隣で見ていたはずなのに、あの物体がこんなに美味しいものに変化したことがやっぱり不思議で仕方ないのだ。

ちなみに美寧が割ってしまったお皿は、すぐに怜が片付けてくれた。美寧も手伝おうとしたが、「怪我をするといけませんから」とやんわりとだが近寄らせてくれなかった。

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