耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
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片付けが終わった後、美寧は紅茶を淹れた。怜の為にしてあげられることはこれくらいしか思い浮かばなかったからだ。
長い脚を組んでソファーに座っている怜は、ティカップを持ち上げて、まずその香りを堪能してから一口飲んだ。
「良い香りですね―――美味しいです。」
「ホント?良かった。ダージリンのセカンドフレッシュ、昨日マスターに頂いたの。頂き物のお裾分けだって。」
怜に美味しいと言って貰えると、美寧は嬉しくなる。
「今夜もお部屋でお仕事?あとでコーヒー淹れて持って行こうか?」
このところ食後は部屋で仕事をしている怜に、美寧は何か少しでも出来ることがないかと探す。
「今日はもう仕事はしません。来週も休めそうにないので、今夜くらい少しゆっくりしようかと。」
「そうなんだ……」
怜の忙しさが来週も続くと知って、美寧は内心肩を落とした。
美寧もアルバイトがあるからずっと家に一人きりというわけではないが、それでもやっぱり怜が家にあまりいないのは寂しい。