耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

「そんなことありません。」

怜が低い声ではっきりと言い切った。

「ミネがいない方が楽、なんてそんなことは絶対ありません。」

「でも……」

怜は断言したが、美寧は不甲斐ない自分が怜の足枷になっていることは否めない事実だと思っている。
怜はとても優しいから、きっと『足枷』すら受け入れてしまうのだ。

そう思うと何だか悲しくて、美寧は怜の視線から逃げるように顔を伏せた。

「ミネ……」

隣から少し困ったように怜が呼ぶが、美寧は顔を上げられない。

(れいちゃんをまた困らせてる……)

分かってはいるが今は素直に返事をすることが出来ない。こんな自分は初めてで、自分でもどうしたらいいのか分からない。
膝の上に置いた手で、ルームウェアのショートパンツをグッと握りしめる。

(どうしよう……私…ここに居られなくなったら……)

そんな考えが頭を過ぎった瞬間、美寧の手の上に怜の大きな手が重ねられた。

「『自分がいない方がいい』なんて言わないで。ミネ。」

重ねられた手に力が込められる。

「俺はミネがいる方がいい。」

柔らかな声が美寧の心を撫でる。
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