耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
美寧は両手の平の中からおずおずと視線を上げた。
「れいちゃん……わたし、ヤキモチ妬いたみたい。」
怜は涼しげな瞳を大きく見張った。
「私…れいちゃんが他の女性にご飯を作るの、嫌みたい………ごめんなさい」
情けなさげにそう言った後、美寧は再び両手の平で顔を覆った。
シーンとした静けさが二人の間に横たわる。
(………呆れてるよね、れいちゃん。)
怜の沈黙が、美寧にとっては自分の失態の証明のようだ。
ものの一分足らずの沈黙を破ったのは、怜の「は~~っ」という重い溜息だった。
「ああもうっ」
怜にしては乱暴な声に、美寧の肩がピクリと跳ねる。
(もしかしなくても怒ってる……?)
(もう一度謝ろう)、そう美寧が考えた時、美寧の体は強く抱きしめられた。