耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
怜の大きな体が覆い被さるようにして、美寧を抱きすくめている。
美寧はその腕の中で丸く大きな瞳を、更に大きく見開いていた。
「君はいったい俺をどうしたいんだ……」
そんな台詞と同時に「はぁっ」とついた溜め息が、耳を掠める。
低く掠れた声は悩ましげで、美寧は咄嗟に「ごめんなさい」と口にしようとした。けれど怜の次の言葉に、美寧はその言葉を飲みこんだ。
「そんな可愛すぎることを言って、俺を喜ばせてどうするんだ……」
「え、」
「あぁミネ、もう一度教えて?俺が他の女性に料理を作るのは嫌?」
美寧の顔がまたしても赤くなる。
つい今しがた恥ずかしい“ヤキモチ”の中身を説明したばかりなのに、その内容を怜の口から聞かされて、なんの辱めだろうと思えてくる。
けれど抱きしめる腕にギュッと力が込められて、怜の胸に顔を押し付けたまま、コクンと小さく頷いた。