耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー

しっとりと重ね合わさった唇から、怜の温もりが伝わってくる。

「んっ」

静かだけど長すぎる口づけに、段々と息苦しくなって、美寧は怜のシャツをキュッと掴んだ。
するとそんな美寧に気付いたのか、怜がようやく離れる。

「嫌でしたか、ミネ?」

至近距離で綺麗な瞳が見つめている。そのまなざしはとても真剣で、深い夜のような紺色に吸い込まれそうになる。

「この前も痛い思いをさせてしまって、とても反省しました。ミネの気持ちも構わず強引過ぎたかも、と。」

怜は整った眉を少し下げ、切れ長の瞳を伏せた。長い睫毛に隠された瞳の奥がかすかに揺れている。

美寧はその切なげな表情に、胸がキュッと痛んだ。
気が付くと咄嗟に声に出していた。

「いやじゃない。」

今度はハッキリと怜を見て言う。

「いやなんかじゃない。」

「ミネ……本当に?」

「うん。……れいちゃんにされて嫌だったことなんて、これまで一つもないよ?」

しっかりと目を合わせて言う。

(私がはっきり言わないと、きっとれいちゃんは自分を悪者にしちゃうんだ……)

とても優しい人だから。
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