耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
どれくらいの間口づけを交わしていただろう。
怜の唇がやっと離れていった後、美寧は荒い息をつきながら怜の胸に寄りかかっていた。
美寧の様子を探るような優しい口づけは、舌を絡め合う深いものになっても変わらなかった。『嫌がることはしませんよ』という怜の想いが唇から絶えず伝わってきた。
けれど段々とそれがもどかしくなって、最後の方は美寧も夢中で応えていた気がする。
まだ息の整わない美寧の頭のてっぺんに口づけを落としながら、怜がポツリと言った。
「もう他の人には料理を作りません。」
酸欠気味に脳では怜の言葉の意味がちゃんと理解できなくて、美寧は瞳をしばたかせた。
「俺の料理を食べられるのはこれからずっとミネだけです。」
「えっ、これからずっと!?」
「はい。」
まさかそんな“専属料理人契約”のような誓いの言葉が出てくるとは思わず、美寧は大きな瞳をクルリと丸くした。
「……いいの?れいちゃんは困らない?」
「困りません。俺が『美味しい』と言って欲しいのはミネだけですから。」
ストレートな言葉に美寧の頬がじわっと熱くなる。