耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「いただきます!」

美寧は早速、箸でつまんだいなり寿司の半分を頬張った。

「んんん~~っ」

一口噛むと、きつね揚げから甘辛い出汁がじゅわっと染みだし口に広がる。しっかりとした味付けのきつね揚げと、やや酸味の効いた優しい味の五目酢飯がとても合う。

「すごく美味しい!」

「それは良かった」

残りの半分を口に入れてしっかりと味わう。噛めば噛むほど美味しいとはこのことだ。なんだか癖になりそうな味である。

「このいなり寿司は、一緒に暮らしていた祖母に教わりました」

「れいちゃんのおばあさま?」

「はい」

美寧は内心驚いていた。
怜が自分の身内や家族について話したのはこれが初めてだからだ。
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