耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
すぐに戻っていた怜の手には、氷の入ったグラスがある。

「どうぞ」

「ありがとう」

グラスを受け取ると、両手がひやりと気持ち良くなる。
美寧はグラスに口をつけてごくごくと一気に半分ほど飲んだ。

「おいしい~っ!やっぱりれいちゃんの梅サイダーは美味しいね」

自家製の梅シロップを炭酸水で割った梅サイダーを風呂上りに飲むことが、この夏の美寧の定番となっている。

「気に入って貰えて良かったのですが、あと少しで梅シロップが無くなりそうです」

夏の終わりと共に、この定番ドリンクも終わろうとしているようだ。

怜の言葉を聞いた美寧は眉を下げ、手に持っているグラスの中身をじっと見つめた。

「そっかぁ……もう飲めないんだね……」

至極残念そうに呟いた声に、怜は思わず口にした。

「次はもっと沢山作りますね」

「ほんと?」

「はい。来年の梅はミネの為にたくさんシロップ漬けにします」

「やった!楽しみにしてるね」

「はい」


美寧は嬉しそうにグラスの残りを飲み干した。
そしていつものように彼女の髪をドライヤーで乾かした怜は、自分も風呂入ってくるとリビングを後にした。


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