耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
ゆらゆら、ゆらゆら。
心地良い揺れに、浮かび上がりかけた美寧の意識がまた、眠りの底へ引き込まれていく。
スーっという耳慣れた音が、閉じた瞳の向こうから聞こえ、そのあとすぐにふわりと柔らかな場所に寝かされた。
「んん……」
下ろされた布団の冷たさに思わず唸る。
少しだけ浮かび上がりかけた意識。けれど、それは頭を撫でる心地よい感触に、再び沈んでいく。
優しくて大きな手のひら。
大好きだった祖父に似ていて、だけど、違う。
その温かな感触が誰のものなのか、たとえ眠りの淵にいても今の美寧にはちゃんと分かる。
(れいちゃんのことが好き……おじいさまとは違う“好き”。だからおねがい……ずっと一緒にいてね……)
ゆらゆらと揺蕩うように沈んでいこうとする意識の中、美寧はひとりごちた。