耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
「れいちゃん、おかえりなさいっ!!」
勢いよく開いたドアから飛び出して来たのは、怜が探していたその人。
焦った顔をした彼女の髪からはポタポタと雫が垂れ、濡れた足跡が板張りの廊下に付いていた。いつもはふわふわと波打つ茶色い髪は、今は腰の辺りに重そうに落ちている。
「ただいま、ミネ。―――お風呂に入っていたのですね。」
「うん…お夕寝しちゃったら沢山汗かいて…れいちゃんが帰ってくる前に綺麗にしておきたかったから……。お風呂先に入っちゃって、ごめんなさい……」
そう言って俯いた美寧の前髪から、雫が垂れそうになっている。怜はそれを自分の袖でグイッと拭った。
「そんなことは気にしません。いつも言っているでしょう?あなたは好きな時に好きなことをして良いのです。それよりもびしょ濡れのままじゃないですか。ちゃんと乾かさないとまた風邪を引いてしまいますよ。」
「う、うん…ごめんなさい…れいちゃんが帰ってきた音がしたから、早くおかえりなさいを言いたくて。」
申し訳なさそうに謝った後美寧が浮かべたはにかんだ笑顔に、怜の顔は自然と緩む。
ミネの肩から下がっているだけのタオルをスッと抜き取ると、彼女の濡れた頭の上に乗せ、ワシワシと少し強めに擦った。
くすぐったそうに肩を竦めたミネに、
「着替えて来たら乾かしてあげますから、しっかりタオルで拭いておいてください。」
そう言い残すと、彼女の頭にタオルを残したまま手を離した。