旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「それともうひとつ。……芽衣ちゃんって小動物みたいで可愛くて」

しょ、小動物!? 小動物ってなに? ハムスターとかウサギとか?

可愛い系を想像して照れくさくなっている私に、門脇部長はスマホを取り出し、なにやら検索し始めた。

「あ、これこれ。いつも見るたびに芽衣ちゃんそっくりだなーって思っていたんだ」

言われるがまま見せられた彼のスマホの画面には、トゲトゲのハリネズミの画像。

「ハ、ハリネズミ……ですか?」

てっきりハムスターとかウサギだと勝手に勘違いをしていた私は、反応に困る。

いや、もちろんハリネズミもすごく可愛いと思うけど……。

「そう。芽衣ちゃんにそっくりだろ? 距離を縮めようとしても、どこかで防御していて相手を近づけさせないところが」

「――え」

まるで私のすべてを知っているような口ぶりに驚く。

それに門脇部長が「なんでも知っているよ」と言うように私を見るから……。

「どういう意味、ですか?」

心臓の鼓動を速くさせながら問うと、彼はニッコリ微笑んだ。
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