旦那様の独占欲に火をつけてしまいました～私、契約妻だったはずですが！～

だからといってすぐに彼との生活の中で、リラックスするのは難しいし、キスされることに慣れるわけがないけれど……。

「ぜ、善処します……！」

彼との結婚を決めたのは私自身。門脇部長のことを好きになれると思ったから、結婚を受け入れた。

それにこんなに緊張してドキドキしているのは、私がもう彼に惹かれている証拠だと思うから。

すると門脇部長は私の頭をクシャッと撫でた。

「早く荷物を片づけて、生活に必要なものを買いに行こうか。その後、夕食は外で済ませてこよう」

「……はい」

早く彼との生活に慣れるようにしよう。夫婦としてのスキンシップにも慣れるようにしないと。

今夜だってそうだ。大丈夫、無事に乗り越えられるはず！　――なんて気合いを入れたものの、やっぱりなかなか緊張は解けなかった。

片づけを手伝ってもらっている時も、買い物や夕食を共にしている時もずっと。


「ど、どうしよう……！」

あっという間に夜になり、彼に促されるがまま入浴を済ませた。