旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
どれくらいの時間、キスを交わしていただろうか。徐々に息が上がり始めた頃、俊也さんはそっと私をベッド寝かせた。

すぐに彼が私に覆い被さり、息が詰まる。

あぁ、いよいよ彼としちゃうんだ。だけど嫌じゃない、だって俊也さんのこと嫌いじゃないもの。……だったらこのまま流れに身を任せてみるのも、いいのかも。

ギュッと瞼を閉じてその瞬間を待っていると、いつまで経ってもその時はこない。代わりに私の身体に布団が掛けられた。

「よし、じゃあ寝ようか」

「えっ?」

そう言うと俊也さんは私の身体を抱き寄せた。

「今日は疲れただろ? 明日からまた仕事だし、早く寝よう」

とは言われるものの、すぐに頷けない。

えっと、しないの? 新婚初夜だって言っていたし、さっきまであんなに甘いキスを交わしていたのに?

信じられなくて俊也さんを見つめていると、私の視線に気づいた彼は片眉を上げた。

「あれ? なに? もしかして芽衣は俺に抱かれたかった? ご希望なら今すぐ抱かせてもらうけど……」

「だ、大丈夫です!!」

すぐさま拒否すると、俊也さんは再び私の身体を抱き寄せた。
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