旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「わかったよ。……それと安心して。芽衣に俺のことを好きになってくれるまで絶対にしないから」

「嘘……」

思わず漏れた本音に、彼は苦笑い。

「嘘とは失礼な。……本当にしないよ。俺が芽衣のことを好きなように、芽衣も同じ気持ちになってくれるまで待つから。……まぁ、俺も男だから。こういうスキンシップとキスまでは許して?」

言葉通り彼は、私のぬくもりを確かめるようにさらに強い力で抱きしめた。それだけで胸がギューギューに締めつけられて苦しい。

私を気遣ってくれているんだよね? 待ってくれているんだ。優しい人、だよね。俊也さんはいつもそう。

仕事中は厳しい時もあるけれど、それは私たちを思ってのこと。褒める時はめいっぱい褒めてくれる。そんな俊也さんを私はずっと尊敬していたんだもの。

彼をもっと知れば知るほど、好きになれる自信がある。だけど俊也さんは? 違いがイマイチわからないけど、私のことを好きになれても、愛することはできないって言っていたよね?

こうして私と結婚をして、このまま一緒にいてもいいの?
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