旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
あ、あれ? 違った? 別に意味なんてなかったのかな。だったらものすごく恥ずかしい……!

口をパクパクさせる私に、俊也さんは囁いた。

「想像に任せるよ」

そしてまた私の身体を抱き寄せた。

なんか、はぐらかされた気がする。……だけど想像に任さるってことは、事実ってことなのかな?

「俺たちの夫婦としての始まりは普通じゃない。でも俺は芽衣のことが好きだから結婚したいと思ったんだ。そのことを忘れないでほしい。……それと俺は芽衣のことを逃がすつもりはないから。……だから早く俺を好きになって」

ゆっくりと離された身体。甘い瞳で私を見る彼に胸が高鳴る。

俊也さんの言う好きって気持ちと、愛する気持ちの違いがわからない。でも彼はちゃんと私自身を見て、好きになってくれたんだよね?

だったら私も、もっとしっかり俊也さんのことを知って好きになりたい。俊也さんとこれから本物の夫婦になっていきたい。

「……はい」

その思いで返事をすると、俊也さんはホッとした顔を見せた。
< 111 / 262 >

この作品をシェア

pagetop