旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
マンションに着くと、また彼は部屋まで私を抱き抱えて運んでくれた。

さっきより熱が上がったのか、抵抗する力さえなく彼に身を委ねた。

「芽衣、着替えできるか?」

「……はい」

「身体を拭いた方がいいよな? 待ってろ、お湯とタオルを持ってくるから」

私を寝室に運ぶと、彼は急いでお湯にタオル、それと着替えまで持ってきてくれた。

「着替え終わったらまた呼んでくれ」

「すみません」

フラフラしながらどうにか身体を拭いて着替えを済ませた。彼を呼ぶと熱さましシートを私の額に貼ってくれた。

「少し寝るといい。その間にお粥を買ってくるから。薬も家にないから買ってくる」

「……なにからなにまで、本当にすみません」

彼に寝るように促され横になると、しっかりと布団を掛けられた。そして私と視線を合わせるように俊也さんは膝をついた。

「さっきから芽衣は、謝ってばかりだな」

「それはだって、迷惑をかけてますから」

謝るのは当然でしょ? それなのに彼は首を左右に振り、優しく私の髪を撫でた。
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