旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
『勝手に俺の心に入ってこないでくれ』
「久しぶり、芽衣。元気だったか?」
「……お兄ちゃん」
玄関のドアを開けたらお兄ちゃんがいて、顔が引きつる。
「俊也は昨日から一週間、出張なんだろ? ひとりで寂しいと思って」
「ありがとう。……えっと、上がるよね?」
「もちろん」
即答するお兄ちゃんを、家に招き入れた。
久しぶりに熱を出したものの、幸い次の日には熱が下がった。だけど、念のために休んだ方がいいと俊也さんに言われ、一日会社を休んだ。
おかげですっかり元気になり、よりいっそう気合いを入れて仕事にあたった。
俊也さんは、これまでと特に変わらない。いや、ちょっぴり過保護になったかも。
少しでも疲れた様子を見せると心配されたし。
だけどふたりで過ごす時間を、これまで以上に大切にしてくれている気がする。
約束通り、仕事が早く終わった日や休日はふたりでキッチンに立っている。それに掃除や洗濯も、不器用ながら手伝ってくれるようになったから。
でもそれ以外は特に変わりなく、私はあの寝言と涙の意味を聞けずにいた。そして好きって告白することも……。
「……お兄ちゃん」
玄関のドアを開けたらお兄ちゃんがいて、顔が引きつる。
「俊也は昨日から一週間、出張なんだろ? ひとりで寂しいと思って」
「ありがとう。……えっと、上がるよね?」
「もちろん」
即答するお兄ちゃんを、家に招き入れた。
久しぶりに熱を出したものの、幸い次の日には熱が下がった。だけど、念のために休んだ方がいいと俊也さんに言われ、一日会社を休んだ。
おかげですっかり元気になり、よりいっそう気合いを入れて仕事にあたった。
俊也さんは、これまでと特に変わらない。いや、ちょっぴり過保護になったかも。
少しでも疲れた様子を見せると心配されたし。
だけどふたりで過ごす時間を、これまで以上に大切にしてくれている気がする。
約束通り、仕事が早く終わった日や休日はふたりでキッチンに立っている。それに掃除や洗濯も、不器用ながら手伝ってくれるようになったから。
でもそれ以外は特に変わりなく、私はあの寝言と涙の意味を聞けずにいた。そして好きって告白することも……。