旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「あーあ、俊也は幸せだな。可愛い芽衣をお嫁さんにできて、一緒に暮らしているだけではなく、手料理まで食べられるんだから」
子供みたいに拗ねるお兄ちゃんに、苦笑いしながら野菜を刻んでいく。
するとお兄ちゃんは頬杖をつきながら、私に尋ねた。
「俊也がいない今だからこそ、あいつのことで俺に聞きたいことあるか?」
「――え?」
思わず手が止まり、お兄ちゃんを見つめる。
「付き合いは俺の方が長いしな。それに俊也のことなら、誰よりも一番知っている自信がある。どんなことでも聞くぞ?」
どんなことでも……?
不意に頭をよぎったのは、私を看病してくれた次の日の朝、彼が寝言と流した涙。
どうしてあの時、俊也さんは私の苗字を呟き、涙を流したんだろう。
ずっと本人に聞けずいたけど、お兄ちゃんなら、もしかしてなにか知っている……?
私になにか質問されるのを、期待しながら待つお兄ちゃんに聞こうと思ったものの、思い止まる。
意味なんてないのかもしれない。それに風邪を引いて心配させた次の日の朝だもの。だから泣いたのかもしれないし。
子供みたいに拗ねるお兄ちゃんに、苦笑いしながら野菜を刻んでいく。
するとお兄ちゃんは頬杖をつきながら、私に尋ねた。
「俊也がいない今だからこそ、あいつのことで俺に聞きたいことあるか?」
「――え?」
思わず手が止まり、お兄ちゃんを見つめる。
「付き合いは俺の方が長いしな。それに俊也のことなら、誰よりも一番知っている自信がある。どんなことでも聞くぞ?」
どんなことでも……?
不意に頭をよぎったのは、私を看病してくれた次の日の朝、彼が寝言と流した涙。
どうしてあの時、俊也さんは私の苗字を呟き、涙を流したんだろう。
ずっと本人に聞けずいたけど、お兄ちゃんなら、もしかしてなにか知っている……?
私になにか質問されるのを、期待しながら待つお兄ちゃんに聞こうと思ったものの、思い止まる。
意味なんてないのかもしれない。それに風邪を引いて心配させた次の日の朝だもの。だから泣いたのかもしれないし。