旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
しどろもどろになりながらも説明をすると、玲子は真剣な面持ちで畳み掛けてきた。

「だったら悩むことなく、門脇部長と結婚すればいいじゃない。よく考えれば、芽衣の結婚の条件にぴったり当てはまるでしょ?」

「……うん」

だから私もあの時、門脇部長と結婚してもいいと思ったんだ。まったく知らない人ではないし、結婚してから関係を深めていくのもアリじゃないかと。

「それに明後日には、芽衣のあの実家に挨拶に来てくれるんでしょ? すごいじゃない、芽衣の家のことを知っても結婚してくれるって言うんだから。最高の結婚相手じゃん。イケメンで仕事ができて、寛大! もう言うことナシ!」

玲子はひとり勝手に結論づけて、ご飯をパクパクと口に運んでいく。

「婚活相手全員、同じ理由で芽衣のことを振ってきたんだから、彼を逃したらこの先、普通の結婚をするチャンスは訪れないんじゃないの?」

最もなことを言われて押し黙る。
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