旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
『気づいたら、キミが心の中にいたんだ 俊也SIDE』
「芽衣っ……!」
離婚届を突きつけられ立ち去る芽衣を、俺は追いかけることができなかった。
虚しく玄関のドアが閉じる音が耳に響き、俺はただ、離婚届を握りしめ、立ち尽くしていた。
「そうか、離婚……」
「ごめん」
次の日、俺は朝早く実家を訪れていた。そして両親に芽衣とのことを伝えた。
芽衣も言っていたが、俺たちは離婚したいからと言っても、すぐにはできないから。
「わかった、今後のことは久我さんと話そう。……しかしそうか、お前の心の中には、まだ姫乃ちゃんがいたんだな。今回のことは、それなのに結婚を急かした父さんの責任でもある」
「いや、父さんのせいじゃない。全部俺が悪いんだ」
芽衣との結婚を決めたのは俺自身だ。芽衣が他の男と結婚するのが嫌だった。だからあんなかたちで結婚を急いだ俺が悪い。
もっと冷静に判断するべきだった。自分にとっての姫乃という存在を再確認するべきだったんだ。
沈黙の時が流れる中、父さんの隣で静かに聞いていた母さんが口を開いた。
「俊也……あなたは少し真面目に考えすぎじゃないかしら」
「えっ?」
「えっ?」
父さんと声をハモらせて母さんを見ると、口元を緩めた。
離婚届を突きつけられ立ち去る芽衣を、俺は追いかけることができなかった。
虚しく玄関のドアが閉じる音が耳に響き、俺はただ、離婚届を握りしめ、立ち尽くしていた。
「そうか、離婚……」
「ごめん」
次の日、俺は朝早く実家を訪れていた。そして両親に芽衣とのことを伝えた。
芽衣も言っていたが、俺たちは離婚したいからと言っても、すぐにはできないから。
「わかった、今後のことは久我さんと話そう。……しかしそうか、お前の心の中には、まだ姫乃ちゃんがいたんだな。今回のことは、それなのに結婚を急かした父さんの責任でもある」
「いや、父さんのせいじゃない。全部俺が悪いんだ」
芽衣との結婚を決めたのは俺自身だ。芽衣が他の男と結婚するのが嫌だった。だからあんなかたちで結婚を急いだ俺が悪い。
もっと冷静に判断するべきだった。自分にとっての姫乃という存在を再確認するべきだったんだ。
沈黙の時が流れる中、父さんの隣で静かに聞いていた母さんが口を開いた。
「俊也……あなたは少し真面目に考えすぎじゃないかしら」
「えっ?」
「えっ?」
父さんと声をハモらせて母さんを見ると、口元を緩めた。