旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「すみませんでした、しっかりご報告せず……」
頭を下げた俺におばさんは、「謝らないで」と言う。
「むしろあなたが結婚したと聞いて、とても嬉しかったわ。これで姫乃も安心できたんじゃないかしら」
「えっ?」
するとおばさんはバッグの中から、色褪せた一通の手紙を差し出した。
「やっと俊也君に渡せる。……これを渡したくて来たの」
「これは……?」
ジッと手紙を見つめると、【俊也へ】と綴られていた。見間違えるはずない、姫乃の文字だ。
顔を上げるとおばさんは目を潤ませた。
「生前、姫乃から託されていた手紙は、もう一通あったの。ひとつは自分が亡くなってから渡してほしいと頼まれ、もうひとつは俊也君が結婚する時に渡してって。……俊也君、どうかあの子の最期の願いを聞いてあげて」
姫乃の最期の願い……?
震える手で手紙を受け取る。
「今、読んでもいいですか?」
「もちろん。読んであげて」
ハンカチで涙を拭うおばさんの前で、俺は姫乃が綴った手紙を目で追った。
頭を下げた俺におばさんは、「謝らないで」と言う。
「むしろあなたが結婚したと聞いて、とても嬉しかったわ。これで姫乃も安心できたんじゃないかしら」
「えっ?」
するとおばさんはバッグの中から、色褪せた一通の手紙を差し出した。
「やっと俊也君に渡せる。……これを渡したくて来たの」
「これは……?」
ジッと手紙を見つめると、【俊也へ】と綴られていた。見間違えるはずない、姫乃の文字だ。
顔を上げるとおばさんは目を潤ませた。
「生前、姫乃から託されていた手紙は、もう一通あったの。ひとつは自分が亡くなってから渡してほしいと頼まれ、もうひとつは俊也君が結婚する時に渡してって。……俊也君、どうかあの子の最期の願いを聞いてあげて」
姫乃の最期の願い……?
震える手で手紙を受け取る。
「今、読んでもいいですか?」
「もちろん。読んであげて」
ハンカチで涙を拭うおばさんの前で、俺は姫乃が綴った手紙を目で追った。