旦那様の独占欲に火をつけてしまいました～私、契約妻だったはずですが！～

次の日の早朝、俊也さんは私を家まで送り届けてくれた。無断で外泊をしてしまったわけだし、さぞかし心配しているか、怒っているかと思っていたんだけど、どうやらお兄ちゃんがしっかり根回ししていたようだ。

お父さんとお母さんは俊也さんを家に招き入れた。

私の予想通り、俊也さんのご両親と話がついていたようで、だから私に彼の写真を見合い相手だ、なんて言いながら渡したようだ。

お母さんはまだ「あなたのこと、完全に信用したわけではありませんから」なんて言いながらも、「大切なのは、芽衣さんの気持ちです」と言ってくれた。

「俊也君、今度こそ芽衣をなにがあっても幸せにしてくれるんだろうね？」

お父さんにそう聞かれた俊也さんは、力強く答えた。

「はい、必ず」

彼の返事を聞き、ふたりの表情は緩んだ。

まぁ……正直まだ、お母さんは俊也さんと会うたびにチクリと嫌味を言ってくるけど。

でもそれを俊也さんは「芽衣が愛されている証拠」だと受け止めてくれている。