旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「さて、まずは芽衣ちゃん。お互いのことを知ることからはじめようか」
「お互いを知る、ですか?」
突然の提案にオウム返しすると、彼は大きく頷いた。
「一年以上共に仕事をしてきたけど、まだまだ知らないことがあるだろ? 例えばほら、俺がうちの会社の社長のひとり息子だってこととか」
「……そうですね」
言葉に棘を生やして言うと、彼はクスリと笑った。
「だからまずはお互いのことを話そうか。……そうだな、生い立ちから」
生い立ちからって……そんなところから?
「昴から芽衣ちゃんが家族になった事の経緯は聞いているが、詳しくは知らない。夫になる以上、俺には知る権利があるだろ?」
素直に顔に出ていたようで、門脇部長には言葉にしなくても私が言いたいことが伝わったようだ。
「私は門脇部長との結婚を了承しておりませんが?」
今日までずっと彼のペースできてしまった。このまま結婚してもいいかも……と思ったのは事実だけど、門脇部長の正体を知ったからには、流されるまま結婚などできない。
悪いけど門脇部長は、私の理想の結婚相手ではないから。
だけど、彼はめげずに笑顔のまま続ける。
「お互いを知る、ですか?」
突然の提案にオウム返しすると、彼は大きく頷いた。
「一年以上共に仕事をしてきたけど、まだまだ知らないことがあるだろ? 例えばほら、俺がうちの会社の社長のひとり息子だってこととか」
「……そうですね」
言葉に棘を生やして言うと、彼はクスリと笑った。
「だからまずはお互いのことを話そうか。……そうだな、生い立ちから」
生い立ちからって……そんなところから?
「昴から芽衣ちゃんが家族になった事の経緯は聞いているが、詳しくは知らない。夫になる以上、俺には知る権利があるだろ?」
素直に顔に出ていたようで、門脇部長には言葉にしなくても私が言いたいことが伝わったようだ。
「私は門脇部長との結婚を了承しておりませんが?」
今日までずっと彼のペースできてしまった。このまま結婚してもいいかも……と思ったのは事実だけど、門脇部長の正体を知ったからには、流されるまま結婚などできない。
悪いけど門脇部長は、私の理想の結婚相手ではないから。
だけど、彼はめげずに笑顔のまま続ける。