旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「俺が芽衣ちゃんと入籍したか、心配だから証拠の写真を送れって言われていたんだ。でないと安心できないらしい」

「そうなんですか……しかしあの、その写真を送るのは……」

私が恥ずかしいです。と言葉が続かずにいると、門脇部長は察したのかニッコリ微笑んだ。

「大丈夫、緊張している芽衣ちゃんも可愛いから」

「なっ……!? 門脇部長!?」

ジロリと睨むと、彼は喉元を鳴らしながら送信してしまった。

「もう送っちゃったよ」

そして意地悪な顔をして私を見下ろす。悔しくてムッとしていると、お兄ちゃんが割って入ってきた。

「俺がいる前でイチャつくな。……俊也、芽衣と結婚したんだ。これからは昔のようにおじさんとおばさんを心配させないようにしろよ」

お兄ちゃんの言葉に、なぜか門脇部長は悲しげに瞳を揺らした。

「……わかってるよ」

一言そう言うと、お兄ちゃんは彼の背中を叩いた。

ふたりの間に流れる独特な空気間に、戸惑いを隠せない。

どういう意味だろう。プレイボーイと呼ばれるほど、女性関係が激しかったことを言っているの? でも、なんか違う気もするし……。

ふたりを見つめながら思いを巡らせていると、私の視線に気づいたお兄ちゃんは大きく咳払いをした。
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