「つかさ、お前自分で新入生です、って言ってたじゃん」

 そうだった。何も不思議じゃない。僕は何て間抜けな質問をしたんだ……恥ずかしくて、少し顔が熱い。気を紛らわせようと、違う話題を考える。

「あ、あのさ。圭介も一人?」

 今気付いたんだけど、圭介のご両親が見当たらない。僕と一緒に行って、ご両親を置いてけぼりにしてるんじゃないか、などと思いながら訊ねた。

「もってなんだよ」

 逆に圭介に返される。も、と言った自覚はなかったけれど、出ていたみたいだ。

「ん……僕が一人だから」
「ふうん、そうか……。俺さ、家遠いんだわ。で、親は仕事あるし。わざわざ休んでまで来なくて良いって言ったんだ」
「てことは、圭介は寮生?」
「おう。何、渉も寮?」

 僕は首を横に振り、今日は仕事だからと簡単に告げる。圭介はどこも一緒だな、と言いながら屈託無く笑った。
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