残酷なこの世界は私に愛を教えた
「うわあ、お洒落……何か懐かしい感じがする……」
目を細めて石橋さんが声を漏らす。
そのカフェでは、少し奥まった場所に店を構えているというのに11時を回った頃には席の半数は埋まっていた。
店内には木目を上手くデザインに生かしたサイズの違う大型のテーブルがいくつかあった。
6人掛けのテーブルの左4つに座る。
「うわー、可愛い! これ食べたい!」
「あ、いいねー。これも良くない?」
可愛らしいスイーツの写真の載ったメニューを見てはしゃぐ女子達。
周りの客も女性ばかりだ。
「やっぱり俺達浮いてんな」
そう言って智久を見ると。
「な、俺これが良いんだけど。隼人は? どれにする?」
目を輝かせた智久の姿が。
「お前もか!」
相変わらず甘党だよなあ。
可愛いと言いたくもなるだろ。
「ん? 何だよ?」
「いや、何でもねえ。俺はこれ」
イチゴのパフェを指差すと。
「え、女子力高い~」
と、愛珠達が騒ぐ。
……何で智久には言わねえ訳!?
智久のティラミスパンケーキも中々だぞ!?
まあ、いかつい見た目してるしな。
と、勝手に納得して注文する。
15分くらいして、「お待たせしました~」と注文したものが来た。