残酷なこの世界は私に愛を教えた
「隼人なんかって何だよ」
「だってそうでしょ~? あら、料理上手なのね! 隼人、ちゃんと捕まえときなさいよこの子。あんたには勿体無いわ!」
や、やっぱり、須貝家は遺伝子強い……?
見た目とは裏腹にハイテンションに言葉を並べるお義母さん。
そっくりだ……。りーさんにそっくりだ……!
「だから分かってるって!」
「ああ、いつまでうちに居てくれても構わないからね!」
「ありがとうございます……」
バシッと腕を叩かれ、思わず身構える。
「良いなあ~、隼人。お前は何て運が良いんだ! 俺にも分けて欲しいくらいだ」
隼人に被せてお義父さんが言う。
「なんですって!? あんたには私くらいが妥当なのよ!」
お義母さんは聞き逃すことなくキッとお義父さんを見る。
あ、あれ……? お義母さんだけじゃなくて、お義父さんもそういう感じ……?
なんか思ったのと違う……。
「もう……、早く飯にするぞ。用意してこい」
言い合いになりそうな雰囲気に、隼人が疲れたように二人を回れ右させた。