残酷なこの世界は私に愛を教えた



やっぱり私はこのオープンさには着いていけません!


恥ずかしすぎて死にそう……!



当のりーさんは全く動揺していない。




「さて、何か大切なことを忘れていませんか?」



それどころか楽しそうにクイズを始める。



「えー、課題やってないとか?」



ちょっと隼人、何でりーさんが私達の課題事情を知ってんのよ。



「ブッブー」



「あ、今日の金曜ロードshow……」



「いいえ、違うわ」



私が言い終わる前に遮られる。

忘れていること……? 何だろう。




「まさか……」



隼人が何かに気付いたようにハッと息を飲む。



「ねーちゃんの店つぶれんのか!?」



「えっ!?」



「違うわよ! 何で大切なことを忘れていませんか、って言ってんのにそうなんの!」



りーさんはプリプリと怒る。



「もー何だよー、早く言えよ」



隼人が諦めたようにそう言う。



「全く、姉の誕生日を忘れるなんて薄情な弟ね!」



「は? 忘れてねえよ。まだ3日前だろ」



隼人は目を細める。



「正解! ってことで、パーティーしましょ!」



そんな彼には構わないりーさんの大きな声。



「別に良いけど……それって普通俺らが提案するんじゃ……」



「だってあんた、去年は何も……」



「したよ! 祝っただろ、盛大に」



隼人が口を尖らせる。


なんか、喧嘩してるようですけど……よーく聞くと凄く仲良いよね、この姉弟。



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