残酷なこの世界は私に愛を教えた
◇◇◇
さて、今日は遂に10月26日。
りーさんの誕生日!
りーさんの提案で今日はカフェ“Happiness”を早めに閉めて隼人と私とりーさんの三人でパーティーをすることになっている。
「あっ愛珠、須貝先輩来たよ」
授業が終わり、美里と話していると隼人が顔を出した。
「あ、じゃあね美里!」
急いで彼の元へ駆け寄る。
「行こっ」
「おう」
私達は早歩きで駅を目指した。
なぜ急いでいるのかって?
それは……。
「女って何あげたら喜ぶんだ?」
そう、りーさんへの誕生日プレゼントを今から買いに行くのだ。
隼人は昨日まで面倒がっていたけれど、なんだかんだ乗り気のようだ。
「何だろう。化粧品とかかな……?」
そう言うと「じゃあ愛珠に任せるわ」と言われたので……。
「プレゼント用に包んでもらって良いですか?」
二人で、化粧品売り場に来ていた。
女性客が比較的多いこの場所で、流石の隼人も居心地が悪そうにしている。
“借りてきた猫”
そんな言葉がぴったりだ。
会計を終わらせ、そんな隼人とHappinessへ向かった。