残酷なこの世界は私に愛を教えた
気が動転してスマホを上手く操作できない。
救急車を呼んだ後、すぐに隼人に連絡する。
「隼人!?」
『おー、どうした? ケーキなら買った……』
「早く来て! りーさんが……!」
私の声に隼人も驚いている。
『どうした!? 何かあったのか!?』
「りーさんが大変……!」
『分かった、すぐ行くから!』
通話時間は、ほんの30秒。
電話が切れた後、部屋を見渡す。
これって……もしかして……。
それは一瞬の稲妻のような衝撃だった。
思わず拳を握り締めた。
爪が手のひらに食い込む。
揺れる胸元のネックレスを抑える。
隼人とテーマパークに行ったときに買ってくれた、あのネックレスだ。
日の落ち終わり、もうほとんど真っ暗なその部屋で、11月の誕生石であるトパーズが微かに私の目を差す。
『トパーズには自分が進むべき道へ導き、人間関……』
もしも私の直感が当たっているのなら。
どうか。
どうか、正解の分からない私を、進むべき道へと導いて――。