残酷なこの世界は私に愛を教えた




校舎が違うため下駄箱も無いわけで、私は脱いだローファーを昇降口に置きっぱなしにし、靴下で屋上まで行っていたようだ。


そんな普通と違う行動をして、なんで記憶にないのかってのが自分でも不思議でならない。



「さて、何処に行こうか」



校門をでて、隣を歩きながら話す先輩。



「いい天気だな」



先輩は、んーっ、と伸びをする。



「俺は今頃の天気が好きなんだけどさー、うちのクラスの女子ったら『焼けるー。今の時期が一番紫外線が強いんだからね!?』とか言って全然外出ねえの」



先輩の誇張したものまねに思わず笑ってしまう。



「高瀬さんは…甘いもの、好き?」



何だろうと思いながら頷く。



「じゃあ、カフェにでも入ってお話しようか。それとも、他に行きたいとこある?」



ふるふると首を横に振ると、じゃあ行こうかと先輩が笑い掛けた。




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