残酷なこの世界は私に愛を教えた




ちょっと!? 何今の!? 私男子耐性無いんだから無理だよ!


ていうか可愛いって……!


隼人ってあんな感じだったっけ!?
あんなにさらっと可愛いとか言えちゃう人だっけ!?


お世辞だったんだよ。そうだよ、それしか無いじゃん。真に受ける方が馬鹿だって!




勝手に納得して水を買い、隼人のところに戻った。



「ほい」



「お、さんきゅー」



一口水を飲み、立ち上がって「お昼食べよ?」と歩き出す彼の背中を追う。



「愛珠何食べたい?」



「何でもいいよ」



「そう? じゃああの辺のお店入ろうか」



「うん」






「お待たせしました~、オムライスとスペシャルパフェです!」



声の高いお姉さんが料理を運んでくる。



「女子力……」



そう、パフェを頼んだのは私ではない。


何かに負けた気がする……。



「ん? どした? あっ、これ食べたい?」



私の視線に気付いた隼人がスプーンを差し出す。




「えっ、いやいやいや! 結構です!」



「えー? 食べたそうにこっち見てるから。ほら、あーん」



「じ、自分で食べるから!」



隼人の手からスプーンを貰おうとするが、交わされる。



「ほーら。口開けて」



ちょちょちょ、待って!

これは不可抗力だよ! 無理! もうどうにでもなれ!


< 76 / 197 >

この作品をシェア

pagetop