残酷なこの世界は私に愛を教えた
ちょっと!? 何今の!? 私男子耐性無いんだから無理だよ!
ていうか可愛いって……!
隼人ってあんな感じだったっけ!?
あんなにさらっと可愛いとか言えちゃう人だっけ!?
お世辞だったんだよ。そうだよ、それしか無いじゃん。真に受ける方が馬鹿だって!
勝手に納得して水を買い、隼人のところに戻った。
「ほい」
「お、さんきゅー」
一口水を飲み、立ち上がって「お昼食べよ?」と歩き出す彼の背中を追う。
「愛珠何食べたい?」
「何でもいいよ」
「そう? じゃああの辺のお店入ろうか」
「うん」
「お待たせしました~、オムライスとスペシャルパフェです!」
声の高いお姉さんが料理を運んでくる。
「女子力……」
そう、パフェを頼んだのは私ではない。
何かに負けた気がする……。
「ん? どした? あっ、これ食べたい?」
私の視線に気付いた隼人がスプーンを差し出す。
「えっ、いやいやいや! 結構です!」
「えー? 食べたそうにこっち見てるから。ほら、あーん」
「じ、自分で食べるから!」
隼人の手からスプーンを貰おうとするが、交わされる。
「ほーら。口開けて」
ちょちょちょ、待って!
これは不可抗力だよ! 無理! もうどうにでもなれ!